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歴史を感じるお値段
2021-08-20


禺画像]
新たに取り組む曲を決める際、
「次は何の曲にしましょう?
○○はやったことありますか?」
などと言いながら
一緒に楽譜をめくりながら
検討することがあります。

生徒さん自身が
子供の頃に使っていた楽譜を
ご自宅から持参してくださったり、
「これがやりたいんです」と
新しく楽譜を購入してきてくださったり、
私が学生時代にかつて使っていた楽譜を
引っ張り出してきて
参考にお見せしたりして、
一緒にお喋りしつつアレコレ悩む
この時間。
ワクワク楽しい時間です。

で、そんな時、
たびたび話題になるのが、
楽譜の値段。(笑)
同じ出版社の同じ楽譜でも
いつ買ったものかで
値段が違うんです。
先日も、お互いのシューベルトの
『アンプロンプチュ(即興曲)』
の楽譜を見比べて
値段の違いに「おぉ〜」と
”時代”を感じたところでした。

例えば、
皆さんお馴染みの『ハノン』。
現在、全音のオンラインショップで
価格1320円(税込)で売られていますが、
私の手元にある
一番古そうなボロボロのハノンは、
背表紙を見ると、なんと650円!
歴史や時代を感じずにはいられません。

40年以上前、私が子供の頃に
両親が買ってくれた楽譜たち。
その楽譜を広げて
今でも曲を弾くことがあります。
その楽譜に記されている
中身(=譜面)に至っては、
クラシックであれば
150年、200年前に作曲されたものも
多々あるわけです。
そう考えると、
曲がオタマジャクシとして残され、
楽譜として刷られ、この世に存在し、
そして200年たった今も弾き手によって
音楽として再現され続けているって
実にスゴイことですねぇ〜。

ところで。
話しはちょっとそれますが…

先日、春に亡くなった義父の
住まいを片付けていたら、
歴史を感じさせる古い本を発見!
手に取ってびっくり。
音楽之友社の『音楽史』の本でした。
一体いつ出版されたものなんだろう?
と確認すると、
なんと「印刷 昭和22年」の文字。
超年代モノの一冊です。
でも、でも!驚いたのは、
その古さだけではないんです。
もっと驚いたこと…、
それは、この本があった場所。
本棚に入っていたのではなく、
押し入れに仕舞われていたのでもなく、
普段、義父が寝ていたベッドの脇に
新聞や雑誌と共に置かれていたこと。
つまり、
「日常的に読んでいた」ということ!!

茶色く変色したページをめくると、
ところどころ作曲者のところに
赤ペンで線が引いてあったりして、
義父のマメで真面目な一面を感じます。

2021年に92歳だった義父が、
自身が20歳くらいの頃に買った
この『音楽史』の本で、
200年近く前に作られた曲や
150年前に生きていた作曲家について
調べたりしていたってことか。
なんだか面白い。

”歴史”の授業が苦手だった私にとって
歴史とは「単なる過去のできごと」
という感覚で、
身近なこととして捉えにくく、
自分とは無関係な気がしていたけれど、
今回のことで、
過去と現在は紛れもなく繋がっていて、
連続する時間のほんの一時期に
自分は存在し、生きているんだなぁ〜

…っと、そんなことを、
改めて感じたのでした。


ちなみに、この本のお値段は、
『定價 二百三十圓』 也。

ワォ。(゚д゚) !
[日常(プライベート)]

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