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「手直し」の連続
2025-06-03


禺画像]
唐突ですが、皆さんは絵を描きますか?
ご存じの通り(?)私は、
音楽と同じくらい美術も大好きなので、
没頭できる趣味の時間として、
絵を描いたり、モノを作ったりします。
(※本日の写真は、数年前に、
今は亡き愛犬を描いたクレパス画)

いつものことなんですが、
絵を描く時に起きること。

白紙の状態からある程度の形になり、
「よし、こんな感じかなぁ〜」と
全体像がハッキリしてきて、
そろそろ終わりかな?と思えてから、
ここから先が…

長い。(;´Д`)
終わらない!!!

ここはもう少しこうして、
あ、ここも描き足して、
あと、ちょっと濃くして…
と、手直し、手直し、で終わらない。
やめられない、止まらない。(笑)

まぁ、最終的には
自分自身を納得させ、
仕方なく(?笑)自己満足感を得て、
これで完成→終了と
なるわけですが。

芸術には、これが正解という
「完成形」がないので、
考えれば考えるほど、
違った解釈がみえてきたり、
他の側面が見つかったりする。
そして、想いや雰囲気を伝えるために、
表現をより深く追求してしまう。

いやぁ〜、ホント、
終わりは無いのである。

***

ピアノの演奏もまた然り。

曲の譜読みが済んで、
両手の合わせが何とかなってくると、
弾き込む段階に入り、
練習を重ねればその分スムーズになり、
曲の形(全体像)が見えてきますよね。

レッスンでは、そこから先、

・間違っている箇所や
 不充分なことを指摘してもらう
・弾きにくいところの弾き方を修正、
 アドバイスをもらう
・自宅練習(復習・予習)の仕方や
 コツを教えてもらう
・表現力豊かに仕上げるポイントを
 一緒に掘り下げる

といった内容になってくるかと思います。
そして、ここからが
「終わりなき芸術の旅」への出発です。
そう!「より良く」という名の
「手直しの連続」が始まるわけですね。

練習してどうにか弾けてきた箇所なのに、
レッスンの際に、
指摘を受けたり、直されたりすると、
「せっかく家で弾けるようにしてきたのに」
「えー!そんなこと追加したら弾けなくなる」
という気持ちになったことありませんか?

でも、これは、
アナタの演奏を「より良く」するために
お伝えしていることです。
ここまで出来たからこそ、
次の段階のアドバイスをしています。
そして、これこそが
「レッスンを受ける」ということなんです。

絵を描く時もそうですが、
すでに描きあがっている一部分を消して、
もう一度描き直す時は、
勿体ないような、怖いような、
そんな気持ちになります。
良くなるためといえ、
壊して作り直すって勇気がいりますよね。
その気持ちは私にも理解できます。

でも、だからといって、
「後から手直しするのは負担なので、
始めから最終形を教えておいてください」
↑これは違うと思うんです。

音楽という芸術。
「ピアノ演奏」という形を用いて、
私達は表現をしているわけです。
そこには、それぞれ感性の違いがあり、
表現できる術(テクニック)にも差があり、
込められた想いも違います。

レッスン時に私がアナタのそれを
完全に理解することなんてありえないし、
曲を弾き進めるうちに、
解釈や想いが変わることもあります。
上達したらできることも増えるわけで、
状況は常に変化していますよね。

何が正解か、何ができればOKか、
どう弾ければ完成なのか、
明確に終わりを決められないんです。
ゴールは存在しないんです。


『不完全だからこそ
無限の可能性がある』



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